【2020/1/25-2/2】旧共産遺産 星野藍 写真展

会期2020年1月25~2月2日 (月火定休)
平日14時~20時 
土日祝13~20時

1945年、第二次世界大戦。
東部戦線における峻烈劇甚なる戦いの末ソビエト連邦は紅き 勝利を収めた。
ソ連側の犠牲者は人類史上全ての戦争・紛争の中で最大の死者数を計上し、民間人の死者を含めるとその数2000〜3000万人という夥しい数の死者を記録した。
ソ連の勝利により東側諸国ではソ連の影響下に置かれた社会主義国を多数生み出す事と なったが、ソ連や東欧の共産党政権は1989年以降に次々と崩壊し1991年についにソ連崩壊を迎えた。
その間多数の独特な建築的遺産を残してきた。
現在その一部は廃墟化し、荒れるが侭風に吹き曝され続けている。
旧ユーゴスラビア各地に残る「戦争の悲惨さ、平和の尊さを伝える」という大義名分の下建造された共産主義プロバガンダのモニュメント“スポメニック”。
そこに覚える類を見ない不思議なレトロフューチャー。
社会主義全盛期時代のシンボル“世界四大廃墟”のひとつ・バズルジャ(共産党ホールの 廃墟)。
東欧の片田舎にひっそりと残る遺棄されたソ連の戦闘機群。
地図から消された旧ソ連軍の軍事都市。
築100年以上を誇るアール・デコ調の世界で一番美しい廃発電所。
鎖国により独自の進化を遂げた旧共産国家に残る負の遺産。
紛争により破壊された儚きオリンピック跡地。
バルカン各地に遺る共産主義の夢の痕。それは本当にただの過去の遺物か、それとも私 たちの見るこれからの未来への警笛か。
極東島国からは見えない「闇と光」の記録がそこに在る。

星野
写真家、書道家、デザイナー。福島市出身 。 従姉の死や軍艦島上陸をきっかけに廃虚の撮影を開始。未承認国家や旧ソビエト連邦など好奇心のままに国内外を徘徊。著書に『幽幻廃虚』( 三才ブックス )、『 チェルノブイリ/福島〜福島出身の廃墟写真家が鎮魂の旅に出た〜』(八画文化会館) 『旧共産遺産 』(東京キララ社)『未承認国家アブハジア 魂の土地、生きとし生けるものと廃墟 』(玄光社)など。